テクノロジーに置き換えられない力を伸ばす~シュタイナー教育の「人間の感覚」を育てる視点~

自ら考え、感じ、自らの意志で行動できる真に「自由な」人間を育むことを目指すシュタイナー教育。様々な能力が生成AIに置き換えられるようになった今、人間にしかできない力を伸ばすことは教育の課題の一つです。個の成長をどう支えるのか?他者と協働する力をどう育むのか?教育現場のこうした問いにどうアプローチするのか、「フォルメン線描」という科目を体験していただき、ヒントを見つけたいと思います。

実施日時

2024年9月15日(日)15:50-17:00

プログラム紹介

ICTや生成AIといったテクノロジーのたすけを得て、学校教育も、より一人ひとりの学び手に寄り添った学びが期待されています。一方、これまで主な学習目標とされていた計算や文章力といった能力は生成AIに置き換えられる将来も見えています。
そんな時代に必要とされる、生成AIでは生み出せない人間ならではの価値、また、ウェルビーイングの向上に欠かせない、人の心や他者との協働といった「非認知能力」と呼ばれる力を学校教育はどう伸ばせるのでしょうか。個を育み、他者を感じ、共に何かを生み出すことを大切にするシュタイナー教育の実践に、そのヒントを見出すことはできないでしょうか。
今回は「フォルメン線描」という、文字や幾何学の学びにもつながるシュタイナー教育独自の科目を実際に体験していただきます。そこから、6歳~12歳の学びがどのように発展するのかご紹介します。子どもたちの心が動く工夫に満ちた授業は、探求学習やアクティブラーニングを支えるものでもあります。そして高校まで12年一貫のシュタイナー教育のカリキュラムが、人生全体の支えとなるように、発達段階に応じて展開されていることもお話ししたいと思います。

登壇者

  • 石代雅日 様(学校法人シュタイナー学園教員)

参加者へのメッセージ

教育は学力だけではなく、個人が身体的、精神的、社会的に満たされ、より良い人生を送ること、つまりウェルビーイングの向上を目指すことが2023年教育振興基本計画にも示されました。シュタイナー教育のカリキュラムは、まさに幼いときは身体を育てることを大切にし、やがて心の働きや思考の成長に寄り添い発展していきます。進歩し続けるテクノロジーと共に歩む社会で、あらためて人間そのものの力を育む教育に立ち返り、皆さまと教育の未来像を描けたらと思います。