「学校教育目標を根拠を持って達成しようとする“チーム学校”づくり」「これからの時代を生き抜くために必要な子どもの非認知能力の育成」「次期学習指導要領改訂も見据えた、『学びに向かう力、人間性等』を育むカリキュラムマネジメント」に関心のある方へ、本校の実践をご報告します。明確な答えのないテーマを共に考えることを通じて、皆様の現場で新たな試行錯誤を始める一助となれば幸いです。
実施日時
2025年9月14日(日) 12:30 ー 13:30
プログラム紹介
学校教育目標を、教職員一丸となって確実に達成していますか。本発表では、学校教育目標を非認知能力と紐づけ、それを可視化しながら、確実な達成を図るカリキュラムマネジメントの実践を報告します。本校は義務教育学校で、小学校5年生から中学校3年生までの年5回のアセスメント変容結果を基に、学校教育目標の達成度把握、取組の改善、新たな企画立案を行いました。客観テストとの相関分析による認知能力との関連も探りました。実践の基盤として、全教職員が非認知能力とは何か、アセスメントの活用方法を学んだうえで、校内特別常置委員会を設置しました。教育活動の成果は共有しづらいものですが、たとえば、「セルフマネジメント」の力をつける必要性を子どもに説いた上で、スケジュール管理の取組を行い、実際に数値の向上が見られると、半信半疑だった教員もやりがいをもって取組をしてくれるようになったり、「もっとこんな風にしたらいいんじゃないか」と主体的に働きかけを改善していく教員も現れました。非認知能力の可視化が、先生たちにオーナーシップを発揮させ、学校全体で「子どもたちの力を本気で伸ばす」実践が始まっています。
登壇者
牧野 嵩馬 先生(京都市立洛西陵明小中学校研究開発部長)
向段 新先生(京都市立洛西陵明小中学校校長)
参加者へのメッセージ
「子どもたちに、将来幸せに自分の人生を歩んでいくために必要な力をつけられているだろうか。」「日々の授業等の実践は確実に学校教育目標達成のために全教職員ができているだろうか。」「新たに増やすのではなく、今ある学校資源でより教育効果を高められないだろうか。」そんな思いから始まった取り組み。それはどの学校現場にも還元できる汎用的なものであると信じています。まだ取組の最中ですが、「だから子どもたちはうちの学校に来て学びたいんだ。」と言えそうなところまで来ています。
教育にゴールなし。どこまでも道半ばで不安はつきまといます。本講演を通じて、そんな不安が「もしかしてこうしたらこうなるんじゃないか」と試行錯誤の原動力に変われば幸いです。